【看護師経験の必要性】産業保健師になる前に看護師として働くべき?

産業保健師について

産業保健師として働いている人に中には、看護師経験を経ている人が多いです。私もそうです。
私自身は看護師として現場経験を踏んだ方が自身が持てると考え、最初に看護師として就職しました。
せっかく看護師資格をとったので、それを使いたいという気持ちもありました。(笑)

産業保健師のイメージとして、第2のステップで就職しているケースが思い浮かぶ方も多いかと思います。

こちらでは、現実的に看護師経験が必要とされるのか、看護師との違いは何なのか、経験なしに産業保健師を目指しても問題ないか、などの疑問を私自身の経験からまとめていますので、少しでもお役に立てば幸いです。

看護師経験の必要性

結論から言うと、看護師経験はなくても問題ありません
(求人条件として、保健師経験/保健指導経験が求められるところは多いです)

産業保健師は、保健指導が主な仕事です。
とにかく従業員の方の話をきいて、健康に影響を与えている要因を探って、改善していけるように助言をします。
看護師として学んできた人工呼吸器の管理や心電図モニターの見方、ストマパウチの交換、注射や点滴、膀胱留置カテーテルの挿入、吸引、おむつ交換、口腔ケア・・・など。もちろんですが、産業保健師がこれらを行う機会はありません。(笑)

看護職なので、根底として「対象者に寄り添った支援を行う」という考え方は同じですが、行う仕事内容は全然異なるため、新卒で産業保健師を志している方も経験なしで問題ありません。

産業保健師として働くために必要と感じたことは、こちらの記事にまとめていますのでご参考になればと思います。

看護師として働いていた方も、新たに学ぶことが多くなるのでもちろん学習が必要です。
一生勉強といわれる医療の道って大変ですよね本当・・・・。(泣)

看護師との違い

看護師も保健師も、対象者(看護師→患者、産業保健師→従業員)に寄り添って支援していく仕事という根本的な部分は同じですが、私が実際に働いて「これは看護師とちがうな」と大きく感じた点をまとめました。

  • 対象者とのかかわりが長期的
    一般病棟勤務の看護師が患者さんとかかわるのは入院期間中だけなので、病院や科によっては1週間程度の短期間のかかわりになる患者さんもいると思います。退院後は外来でフォローして・・・という流れが多いですよね。退院してしまうと再度入院してくるまでは、外来カルテの文章でしかその後の状況はわかりません。(業務の中で、そこまでしている時間はなかなかないと思いますが(笑))
    産業保健師は、従業員の方が働いている限りずっとかかわるので、何年もの継続的な付き合いになります。外来や診療所の看護師の患者さんとの関わりとは似ているかもしれません。
    良い面も悪い面もあるかもしれませんが、長期的にかかわることで信頼関係を築けるのは良い点かなと感じています。
  • 対象者が要望していないことも行う
    病院は、患者さんが「悪いところを治したい」と希望して訪れる場所なので、基本的には医療者の話をしっかり聞いてくださり治療もスムーズに進むことが多いです(もちろんそうでないことも多いですが・・・世の中いろんな方がいて、いろんな考えがありますよね(遠い目))。
    産業保健師は、基本的に健診結果が良くない方を対象に保健指導を行うので、対象者の中には健康に全く関心がない方もいらっしゃいます。そんな方に「どうしたら健康に興味を持ってもらえるか、どう話したら効果的なのか」を考えてかかわる必要があります。これがとても難しい・・・!ですが、それが産業保健師のお仕事なので、頑張りどころなのかなと個人的に思っています。
  • 生命にかかわるリスク
    病院や病棟にもよると思いますが、病院である以上何かしらの疾患を抱えている人が対象のため、看護師には命の重みがつきものです。「入院」や「手術」は人生の一大イベントであり、のしかかる重圧は軽いものではないですよね。
    産業保健師が対象とするのは働くことが出来る身体状況レベルの人が相手なので、看護師と比べれば、少しその圧から解放された気はします。

重労働をされている方で、健診結果が収縮期血圧200mmHg以上ということも普通にあるので、リスクが低い人ばかりというわけではないです。

看護師経験は産業保健師に活かせる

看護師経験がなくても産業保健師になるのに支障はありませんが、もちろん経験が無駄になるわけではありません。

退院支援で行う減塩など食事指導や生活指導はもちろん保健指導に活かせますし、
糖尿病患者さんのエピソードトークは、血糖値が高い方へのリスク説明に説得力を持たせ、
酸素ボンベのある生活状況(在宅酸素)をリアルに話すことで、禁煙指導に深みもでます。

「この生活が続くと、こんな未来が待っている」というイメージをリアルに説明することができるので、看護師経験を活かす場面はたくさんあります。
何より知識量も違うかと思います。

「実際に糖尿病で足を切断したケースを見たことがある」「入院してつらかった話・生活改善して良かった話を聞いたことがある」というのは、保健指導の中での疾患リスク説明に大きな強みになります!

まとめ

新卒で産業保健師を目指す方は不安があると思いますし、看護師経験があっても心配に思う点があるとは思いますが、何にも問題ありません。新たに学んでいく形が多いので、「これから頑張る」の気持ちで就職/転職を検討していただけたらと思います!

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