【看護学生向け】そもそも保健師って?種類や仕事、働く場所について

保健師について

産業保健師の話をする前に、そもそも「保健師」がどういう仕事をしている人か理解していると、産業保健師のついてもわかりやすいかと思います。
産業保健師は、保健師という看護職のひとつです。

一般的に保健センターで赤ちゃん健診などを行っている保健師をイメージする方もいらっしゃるかと思いますが、それ以外にも保健師が働いている場所があります。

保健師の役割や、働き方、仕事の内容、場所についてまとめていますので、ご参考になれば幸いです!

保健師とは

保健師は、健康診断や健康指導などの保健指導に従事する看護職のひとつです。
保健指導を通じて、人々の病気の予防や健康維持に貢献する医療専門職となります。病気の方を対象とするのが看護師であれば、健康な方を病気にさせないように予防の働きかけをするのが保健師です。

保健師が働く場所は、複数あります。

  1. 行政  :都道府県の庁舎や保健所、市区町村の保健センターや役所など
  2. 学校   :学校の保健室(※学校保健師=保健室の先生ではない!)
  3. 産業   :企業の健康管理部門や医務室、健康保険組合、産業保健総合支援センターなど
  4. 医療機関:病院やクリニック、健診センターなど

保健師が従事している割合として最も多いのは”行政保健師”で、全体の7割程度を占めます。
産業や学校保健師は、募集がかなり少なく狭き門となっていることもあり1割も満たしません。

①行政保健師

「保健師」ときいたとき、一般的に連想されるのはこの行政保健師が多いかと思います。
行政保健師は公務員として行政関係の施設で働きます。赤ちゃん健診を行っているのは、この行政保健師です。


  • 勤務先 :保健所や保健センター、地域包括支援センターなど
  • 対象者 :地域に在住する乳幼児から高齢者まであらゆる世代の人
  • 仕事内容 :
    • 保健センター(市町村)
      健康事業 : 健康教室、健康相談、健康診断、がん検診など
      母子保健 : 子育て相談、3歳児健診、離乳食講習会など
      精神保健 : 精神疾患、心の病気や悩みの相談、社会復帰に関する相談など
      感染症予防: 感染症や結核の予防、エイズに関する相談など
      地域住民と直接かかわり、より近い距離で健康を支援します。
    • 保健所(都道府県・政令指定都市・中核市・特別区)
      保健センター同様、健康事業や母子保健、難病・精神保健、感染症予防など
      地域全体をみわたし地域のケアシステムの構築や、その地域の健康問題の調査や分析など
      保健所には保健センターよりも専門家がたくさんおり、より高い専門性が求められる業務となります
    • 地域包括支援センター(市町村)
      介護予防ケアプランの作成や高齢者の相談対応、介護予防セミナーの開催など

保健センターや保健所は公務員になるため、看護師・保健師資格に加えて公務員試験に合格する必要があります。

都道府県や市町村、国で働く保健師がいます。
行政保健師になるには、公務員試験対策も必要になります!

➁学校保健師

「学校の保健師」ときくと「保健室の先生」とイメージする方も多いと思いますが、学校保健師=保健室の先生というわけではありません。

「保健室の先生」になるためには、養護教諭の免許が必要になります。法律で保健指導を行う存在として規定されているのは、保健師ではなく養護教諭となります。小中高校には設置義務があります。

「学校保健師」は学校・保健室に勤務している保健師、という位置づけで捉えていただけたらと思います。設置は義務ではなく任意です。


  • 勤務先 :学校の保健室(駐在の必要はなし)
  • 対象者 :生徒、職員
  • 仕事内容
    けがや病気の応急処置、生徒や職員の健康管理、メンタルヘルス、校内の健康に関する取組みなど
    仕事としてほぼ養護教諭(保健室の先生)と大きな違いはありませんが、保健教育や保健指導を行えるのは養護教諭となります。

より生徒と密接にかかわりたい方は養護教諭免許を取得を目指すことがより良い方法です。
小児科での勤務経験などがあれば、強みになるかもしれません。

保健師ではありませんが、看護師で子供が好きな方は幼稚園もおすすめです!

③産業保健師

詳細は他記事を通して書いてありますので、簡易的にまとめます。
詳しくはこちらをご覧ください。


  • 勤務先 :企業の健康関連部署、健康保険組合、産業保健総合支援センターなど
  • 対象者 :従業員
  • 仕事内容
    従業員の健診結果のデータ管理、従業員への保健指導、職場内で発生したけがや病気の応急処置、休職者・長時間労働者との面接、メンタルヘルス対策、職場巡視、安全衛生委員会の出席、健康に関するセミナーなど

一人職場であることが多く、産業医や他部署との関係性・連携が非常に重要になります。
健康保険組合で働く場合、企業の職員という立場ではないため業務も多少異なります。一人職場ではない点は、就職先選びとして大きい要素かもしれません。

ひとりで働く場面を想像してみて、自分に合っているかを考えてみるのも良いと思います

④医療機関に勤める保健師

  • 勤務先 :病院やクリニック、訪問看護ステーションなど
  • 対象者 :患者、利用者などあらゆる人
  • 業務内容:健康診断や予防接種、患者さんの生活指導、禁煙外来など

医師や看護師は患者さんの治療・診察がメイン業務となり、保健師は病気ではないが予備軍の方の生活改善や健康増進にむけた働きを行っています。

健診センターで健康診断関連の業務を行う保健師もいます。

まとめ

というわけで、「ゆりかごから墓場まで」と全年代を対象とする保健師は、私たちが生きる地域や社会に密着して活動をおこなっています。一口に「保健師」といっても、働きかたや対象者、就職先は多岐にわたります。

「どんな人に」「どんなことをアプローチしたいのか」で選ぶ道も変わってくるかと思いますので、自分のやりたいことを具体的に想像して細かく考え、見つめることが就職活動には重要です。

悔いのない仕事選びのために、ご参考になれば幸いです!

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