産業保健師をしていて、やっててよかったなと思うこともあれば「つらい、やめたい・・・」と思う場面があります。どんなお仕事にも苦楽はありますよね。
産業保健師においては、どんな場面で感じることがあるのかまとめました。私自身の経験に基づいてではありますが、ご参考になれば幸いです。
やっていて良かったと思ったとき
- 「あなたのおかげで良くなりました!」と言ってもらえた時
医療職たるもの、結局これですよね・・・(笑)自分のやったこと、伝えたことで感謝してもらえた時は本当にやりがいを感じます。保健指導でも自分のしたアドバイスを実際にしてくれた従業員さんが「いわれた通りこうしてみたら、だんだん体が楽になってきてね、」と笑顔で話してくださったり報告をしてもらえることがあります。そんな時はやって良かったな、って感じます。 - いろいろな人、価値観、考え方に触れられる
生活習慣のお話をするので、生活において何を重視しているかなどその人に人生の肝のような部分に触れることもあります。「え、そんな人いる!?」と驚くことも少なくありません。本当に、世界は広いです。自分のちっぽけさを感じたり、学ぶことが多いです。自分自身の人の見方が寛容になれるのかな、とも思いますし「こんな方(成功体験や失敗体験などのエピソード)の話を聞いたことがありま」と、保健指導に活きることもあります。 - 自分自身の知識にもなる
健康を維持しなければいけないのは、産業保健師である自分も同じです。健康に有益な情報を知っておいて損なことはありません。例えば産業保健師ののちに全く異なる仕事をしたとしても、学んだ知識は自分に活かされますし周りに伝えることもできます。仕事として学ぶ内容が、自分の人生、生活に生かされるというのは、勉強が一生無駄にならないので努力もし続けられる点かなと思います
自分が「お手本の健康状態」であることが求められる部分も少しあるので、そこは何となくプレッシャーです(笑)
つらい、大変だと感じること
- 健康の意識が高い人ばかりではない
保健指導の対象となる健康診断の結果が悪い人というのは、やはり健康への意識が低い方が多いです。「好き勝手やって、それで死ねたら別に良い」とやりたい放題な生活の方もいますし、特に若い方は「まだまだ先(未来)の話」と思って興味がない人も多いです。生活習慣病のリスクに現実味がないと感じる人が少なくありません(そういう病気なので仕方ないですが・・・)。
そんな方への保健指導は、本当に難しい・・・!「興味ない」と話していてもいざ病気になったら「死にたくない、あの時ああしとけばよかった」と感じる人がほとんどで(病院でもいますよね)、後悔するんです。そもそも従業員には「自分自身の健康を管理しなければいけない」という自己保健義務があります。しかし、意識が低い方にそんな話は効果的ではありません。いかに話に興味を持ってもらえるか、危機感を抱いてもらえるかが重要で、健康に否定的な発言をしている意図・意味をくみ取りながら関わることが求められます。
適している方法はその人によるかと思うので、さらに難しいところです。教科書なんてものはない・・・(泣) - やりがいを感じにくい
保健指導はなかなか効果が見えにくいお仕事です。正解もないし、自分が行っていることは正しいのか自信がなくなったり、やりがいがないと感じることもあると思います。方法が間違っていなければ時間をかけて成果がでることもあるので、継続が大事になりますが、それが結構しんどい・・・。従業員の方が頑張っている場合にはなおさら辛い・・・。
確実な情報の下で、確実に健康への取り組みを行っているのに効果が見えないときは、その原因に病気を疑うことも必要になるので見極める必要があります。
まとめ
とうわけで、産業保健師をしていてうれしいと思うこともあれば、もちろん辛いなと思うこともあります。どんな職業も同じだとは思いますが、産業保健師の場合は上記のようなことが一例かなと思います。
自分の性格ややりたいことなども踏まえて、ぜひ就活のご参考になれば幸いです。
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